座布団の形のはなし
1.日本工業規格 (JIS)が定める座布団のサイズ
座布団は、前述のように昔ながらの名称でサイズを表すのが一般的ですが、これとは別に日本工業規格 (JIS)が定めた大きさ(サイズ)があります。
- Sサイズ ヨコ51×タテ55cm
- Mサイズ ヨコ55×タテ59cm
- L サイズヨコ59×タテ63cm
これによると、木綿判がSサイズ、銘仙判がMサイズ、八端判がLサイズということになります。 最近は海外で生産された座布団も流通しているので、よく見かけるようになりました。
2.座布団って正方形?
サイズの話を読んで気付かれた方もおられるかも知れませんが、座布団は正方形ではなく、横方向よりも奥行が少し長くなっています。 たとえば最もよく使われる銘仙判(めいせんばん)だと55×59cm、八端判(はったんばん)だと59×63cmと、いずれも奥行が4cmずつ長くなっています。 これは座布団が正座をするための道具として作られているからです。
下の図で正座をした時の太ももの幅と、膝下の長さを比べてみてください。
正座した時には通常、膝下の長さの方が太ももを合せた幅よりも少し長くなります。このために奥行を少し長くとってあるのです。 だいたい4~5cmずつ奥行を長くした計算になっていますが、座布団は昔の寸法で作られているので、一寸程度の違いを持たせてあると考えるのが一般的のようです。
3.長座布団のサイズ
座布団2~3枚分を横長につなぎ合わせたビッグサイズの座布団をご存じでしょうか。
これは長方形のこたつ用に作られた座布団で「長座布団」といいます。 発祥の地は長野県。冬になると雪が高く降り積もる長野では、こたつで暖を取ることも多く、長座布団が無かった頃には、座布団を横に並べて使っていました。
ところが座布団を並べた状態では、座布団と座布団の隙間から寒い風が入ってきます。さらに人の出入りがある度にこたつの中の温度が下がるなど困ったことに。そこで考案されたのがこの長座布団でした。
サイズは、2枚分の長さのものでヨコ110×タテ60cm、3枚分ではヨコ150×タテ70cmのものが主流です。 長方形のこたつにはもちろん、ゴロ寝用のクッションや横長のソファにも使えます。 また赤ちゃんのいるご家庭では、おむつを替える布団やお昼寝マットとしても重宝します。
☆知ってなるほど!座布団にまつわる豆知識☆ 座布団ってどうやって数えるの?
「ヤマダ君、座布団3枚持って行きなさい!」
人気演芸番組「笑点」ではおなじみの光景ですね。 このように座布団は通常1枚、2枚と数えます。ところが場合によっては、違う数え方もするのです。 たとえばお客様をもてなす時。 特別な機会に使用する座布団は、ある程度の数が揃っているので「客」(きゃく)と数えます。 5枚組ならば5客、10枚組ならば10客…という具合です。 来客用のコーヒーカップや汁椀などと同じ数え方です。 また、積み重ねてある座布団については「重ね(かさね)」と数え、座布団の山が二つある場合は、ふた重ねと数えます。 同じく関西では「畳(じょう)」と数える地域もあります。これは座布団が畳に由来しているからだそうです。